様式
ルネサンス
るねさんす
ルネサンス(るねさんす)は、14世紀から16世紀にかけてイタリアで起こり、のちにアルプスの北にも広まった美術の様式と、その時代を指す言葉。古代ギリシア・ローマの美術を手本に、透視図法や解剖学の研究によって、人間と自然を正確に、調和のとれた姿で描こうとした。絵画では1420年代のフィレンツェでマサッチオが道を開き(初期ルネサンス)、16世紀初めにレオナルド、ミケランジェロ、ラファエロが頂点を築いた(盛期ルネサンス)。名は「再生」を意味するフランス語で、ヴァザーリが『美術家列伝』(1550年)で用いたイタリア語の「リナシタ」にさかのぼり、19世紀にミシュレやブルクハルトによって時代の名として広まった。
出典: コトバンク「ルネサンス美術」(改訂新版 世界大百科事典(若桑みどり)・日本大百科全書(上平貢)・ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典、2026-10-12 取得) https://kotobank.jp/word/るねさんす美術-3175675、コトバンク「ルネサンス」(精選版 日本国語大辞典・改訂新版 世界大百科事典(樺山紘一)・ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典、2026-10-12 取得) https://kotobank.jp/word/るねさんす-3175673、Encyclopaedia Britannica「Renaissance art」(2026-10-12 取得) https://www.britannica.com/art/Renaissance-art、ナショナル・ギャラリー(ロンドン)「Renaissance」(Glossary、2026-10-12 取得) https://www.nationalgallery.org.uk/paintings/glossary/renaissance、en.wikipedia「Renaissance」(2026-10-09 版、2026-10-12 取得) https://en.wikipedia.org/wiki/Renaissance
年表・沿革
1425
- このころ、マサッチオがフィレンツェのブランカッチ礼拝堂に《貢の銭》などの壁画を描き、ルネサンス絵画の誕生を告げる記念碑とされた。
1432
- 兄フーベルトが着手し弟ヤンが仕上げたファン・エイク兄弟の《ヘントの祭壇画》が完成し、北方ルネサンスの最も輝かしい金字塔とされた。
1495
- レオナルドがミラノで《最後の晩餐》を描き始め(1498年完成)、これが盛期ルネサンスの絵画の始まりとされる。
1508
- 教皇ユリウス2世の命で、ミケランジェロがシスティーナ礼拝堂の天井画に取りかかり、1512年に完成させた。
1527
- ローマが神聖ローマ帝国の軍に略奪され、これをもってイタリアのルネサンスは終わったとされる。
1550
- ヴァザーリが『美術家列伝』を著し、13世紀後半のチマブーエやジョットから古代の優れた芸術精神が「リナシタ(再生)」したという見方を美術史に定着させた。
1860
- ブルクハルトが『イタリア・ルネサンスの文化』を出版し、ルネサンスを一つの時代として描き出した。
関連人物
- 教皇 ユリウス2世 1503〜
在位1503〜13年。ブラマンテ、ラファエロ、ミケランジェロらを登用し、ミケランジェロにシスティーナ礼拝堂の天井画を命じるなど、ローマをルネサンスの中心にした。
- 画家・著述家 ジョルジョ・ヴァザーリ 1550〜
1550年に『美術家列伝』を著し、13世紀後半のチマブーエやジョットから古代の優れた芸術精神が復活したと述べて、「リナシタ(再生)」の語を美術史の概念として定着させた。
- 歴史家 ヤーコプ・ブルクハルト 1860〜
スイスの歴史家・文化史家。『イタリア・ルネサンスの文化』(1860年)でルネサンスを「人間と世界の発見」の時代として描き、近代の美術史学・文化史学の基礎を築いた。
- 建築家 フィリッポ・ブルネレスキ
初期ルネサンスを代表する建築家。フィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の中央ドームを架け、透視図法の創始者にも数えられる。
- 彫刻家 ドナテッロ
ルネサンス彫刻様式の創始者とされる。オルサンミケーレ教会の《ゲオルギウス》はルネサンス彫刻の最初の作例とされ、マサッチオはその厳格な写実を絵画に取り入れた。
- 人文学者・建築家 レオン・バッティスタ・アルベルティ
初期ルネサンスを代表する人文学者・建築家。《絵画論》で透視画法の理論を説き、ルネサンス時代最初の建築書《建築論》を著して、ルネサンス建築理論の基礎を築いた。
- パトロン ロレンツォ・デ・メディチ
フィレンツェ共和国の実質上の君主。人文学者・詩人・芸術家を手厚く保護し、みずからも詩を作った。周りに集まった人々の新プラトン主義の美学を、絵画で体現したのがボッティチェッリとされる。
- 歴史家 ジュール・ミシュレ
フランスの歴史家。『フランス史』でルネサンスを一つの歴史の時代として定義し、ブルクハルトとともに、この語を15〜16世紀のヨーロッパの文化の時代を指す概念として用いた。
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遠近法と人体比例を研究し、洗練された色彩で格調の高い画風を築いた、初期ルネサンス絵画の大家とされる。
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遠近法を駆使した堅牢な人物描写で知られ、北イタリアのルネサンスを代表する画家とされる。
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1420年代のフィレンツェで、ブルネレスキの透視図法とドナテッロの写実を絵画に取り入れ、初期ルネサンスの絵画様式を確立したとされる。
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初期ルネサンスのフィレンツェを代表する画家の一人で、ルネサンスの形式と理念のなかに後期ゴシックの詩情を宿したとされる。
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盛期ルネサンスの三大巨匠の一人で、ルネサンスの理想的な古典様式を完成させたとされる。
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レオナルド、ラファエロと並ぶ盛期ルネサンスの巨匠とされる。
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盛期ルネサンスを代表し、調和のとれた明晰な古典様式を確立したとされる。
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ベネチアにおける盛期ルネサンス様式の創始者とされる、ベネチア派の画家。
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ジョルジョーネとともにヴェネツィアの盛期ルネサンスを代表し、16世紀ヴェネツィア派最大の画家とされる。晩年の作は、初期バロックの様式を予示したともされる。
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兄フーベルトとともに、北方ルネサンスと呼ばれる15世紀ネーデルラント絵画の創始者・代表者とされる。
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イタリア・ルネサンスの成果を取り入れ、ドイツ・ルネサンスの絵画を完成させたとされる。
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デューラーと並ぶドイツ・ルネサンスの代表的画家で、とくに肖像画で知られる。
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ヤン・ファン・エイクと並ぶ15世紀前半のフランドル絵画の巨匠で、北方ルネサンスの画家とされる。
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初期ネーデルラント絵画を代表する画家の一人で、その怪奇な寓意画はルネサンス・ユマニスムの表れの一つとされる(中世末期の画家とする見方もある)。
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ドイツ・ルネサンスの代表的画家で、生涯の大半をザクセン選帝侯の宮廷画家として過ごした。
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16世紀フランドル最大の画家で、北方ルネサンスを代表する画家とされる。
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ティツィアーノ、ティントレットとともに16世紀のベネチア絵画を代表した、ルネサンス期のベネチア派の画家。
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イタリア時代の作は16世紀のベネチア・ルネサンスの様式によるとされ、スペイン・ルネサンスの画家とも呼ばれる(主にマニエリスムの画家とされる)。
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ロレンツォ・モナコのゴシック風から出発し、のちにルネサンスの画家になりきったとされる、初期ルネサンスのフィレンツェ派の画家。
