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鳥居言人髪梳き
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鳥居言人の《髪梳き》は、昭和4年(1929年)10月に酒井と川口が共同出版した美人版画である。背景の摺りに二つの技法を組み合わせ、湯上がりの湿った空気を表している。言人が同じ題で出した2図のうち、これは最初の1図で、もう1図は池田から出た。彫りは伊藤、摺りは小松が担当した。
背景に使ったのは、紙を版木に押しつける馬楝の筋を生かす「馬楝筋摺」と、細かな斑点を作る「ごま摺」である。輪郭線には墨を使わず、桃色で摺った。美人画家の伊東深水が大正11年(1922年)に出した、湯浴みする裸婦の版画を下敷きにしている。言人は人物の向きを逆にし、髪を下ろした姿に変えた。
この摺りは昭和55年(1980年)12月、収集家のC・バートラム・ホフバーガーがニューヨークのツル・ギャラリーで購入した。相続でエルナ・ホフバーガー、モニカ・グリフへと渡り、平成23年(2011年)にウォルターズ美術館へ寄贈された。







