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土佐光信源氏物語画帖 行幸
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54帖すべてがそろう源氏物語の画帖として、現存最古とされる画帖の、第29図である。周防の大内氏の重臣・陶氏が注文し、公卿の三条西実隆が6人の公家の詞書を取りまとめた。この図と対になる詞書は、公卿で歌人の冷泉為広が書いた。為広は藤原定家の直系の子孫である。当時いちばん標準的だった源氏物語の本文は、定家がまとめたものだった。
第29帖「行幸」は、12月に冷泉帝が大原野へ出かける行幸を描く。世の人は残らず見物に出て、桂川のあたりまで見物の車がすき間なく並んだ。その日は雪がほんの少しずつ舞っていた。見物に出た玉鬘は、実の父の内大臣をこのとき初めて見たが、帝の御輿のほかには目が移らなかった。
陶三郎は永正8年(1511年)、絵と詞書を周防へ持ち帰った。永正13年(1516年)には屏風に貼り直され、父の弘詮が寺に寄進した。いまの画帖の仕立ては江戸時代のものである。1957年にフィリップ・ホーファーの所有となり、1985年にハーバード美術館へ遺贈された。









