団体
日月会
じつげつかい
日月会(じつげつかい)は、1901年(明治34年)3月に小林呉嶠・岡倉秋水・根本雪蓬らが「純正美術家作品研究会」として始めた日本画の団体。日本画の進歩と後進の発達を図って上野公園の竹之台陳列館などで展覧会を開き、1904年の第4回展には山元春挙・野村文挙・荒木寛畝・尾形月耕らが出品した。1907年には日本美術協会・日本画会などとともに正派同志会に加わり、1911年の第10回展は創立十年を記念して特別室を設けた。岡倉秋水が幹事長、月岡耕漁・小林呉嶠らが幹事を務め、竹之台陳列館の貸与の記録は1916年まで残る。
出典: 日本力行会編『現今日本名家列伝』(日本力行会出版部、1903年10月)の小林呉嶠・根本雪蓬・岡倉秋水の項(国立国会図書館デジタルコレクション、2026-10-12 取得) https://dl.ndl.go.jp/pid/777743、『日本現今人名辞典』(日本現今人名辞典発行所、1901年版・1903年版)の小林呉嶠の項(国立国会図書館デジタルコレクション、2026-10-12 取得) https://dl.ndl.go.jp/pid/782772、『成功名家列伝』第1・2巻(国鏡社、1910年)(国立国会図書館デジタルコレクション、2026-10-12 取得) https://dl.ndl.go.jp/pid/778190、『当世画家評判記』(文禄堂、1903年)(国立国会図書館デジタルコレクション、2026-10-12 取得) https://dl.ndl.go.jp/pid/851240、『近世絵画史』(金港堂、1903年)(国立国会図書館デジタルコレクション、2026-10-12 取得) https://dl.ndl.go.jp/pid/850391、『文部省美術展覧会入選諸家列伝 第7回』(芳雲堂、1913年)(国立国会図書館デジタルコレクション、2026-10-12 取得) https://dl.ndl.go.jp/pid/947932、『古今書画家名鑑』(審美画会、1913年)(国立国会図書館デジタルコレクション、2026-10-12 取得) https://dl.ndl.go.jp/pid/951177、『現代日本美術家全録』(画報社、1914年)(国立国会図書館デジタルコレクション、2026-10-12 取得) https://dl.ndl.go.jp/pid/951905、『日本美術年鑑 第2巻(明治44年度)』(画報社、1912年)(国立国会図書館デジタルコレクション、2026-10-12 取得) https://dl.ndl.go.jp/pid/936720、『日本美術年鑑 第3巻(大正元年度)』(画報社、1913年)(国立国会図書館デジタルコレクション、2026-10-12 取得) https://dl.ndl.go.jp/pid/936721、『明治大正文学美術人名辞書』(立川文明堂、1926年)(国立国会図書館デジタルコレクション、2026-10-12 取得) https://dl.ndl.go.jp/pid/1018982、石井柏亭『柏亭自伝 文展以前』(教育美術振興会、1943年)(国立国会図書館デジタルコレクション、2026-10-12 取得) https://dl.ndl.go.jp/pid/1069026、『帝室博物館略史』(東京帝室博物館、1938年)の竹の台陳列館の貸与先の表(国立国会図書館デジタルコレクション、2026-10-12 取得) https://dl.ndl.go.jp/pid/1839532、東京文化財研究所『美術画報』所載図版データベース(検索語「日月会」124件、2026-10-12 取得) https://www.tobunken.go.jp/materials/?s=日月会&post_type[]=gahou、コトバンク「月岡耕漁」(20世紀日本人名事典・デジタル版 日本人名大辞典+Plus、2026-10-12 取得) https://kotobank.jp/word/月岡耕漁-1091909、ja.wikipedia「正派同志会」(2019-02-21 版、2026-10-12 取得) https://ja.wikipedia.org/wiki/正派同志会
年表・沿革
1901
- 3月、小林呉嶠・岡倉秋水・根本雪蓬らが「純正美術家作品研究会」を創立し、日月会と号した。同じ年の秋の展覧会には、石井柏亭が油絵と水彩画を出品している。
1903
- 創立以来、毎年1回、上野公園で展覧会を開いていた。同じ年の『近世絵画史』は、日本画会・无声会・丹青会などとともに、続々と起こった小会の一つに数えている。
1904
- 第4回展に、山元春挙・野村文挙・荒木寛畝・荒木十畝・小堀鞆音・尾形月耕・橋本関雪ら、画家たちの新作が80点余り並び、『美術画報』に図版が載った。川村清雄・三宅克巳ら洋画・水彩画の作家の名もある。
1907
- 文展の開設に際し、日本美術協会・日本画会・日本南宗画会・南画会などとともに、旧派の団体の連合である正派同志会の結成に加わった。幹事長は荒木十畝。
1910
- 2月から3月にかけて、上野公園の竹之台陳列館で第9回展を開いた。本多天城《山水六曲屏風》、三尾呉石《虎》らが出品した。
1911
- 2月17日から3月19日まで竹之台陳列館で第10回展を開き、創立十年を記念して特別室を設けた。この展覧会で日月賞を受けた者が複数いる。
1912
- 2月19日から第11回展を開いた。岡倉秋水・三尾呉石・坂巻耕漁(月岡耕漁)《巴》・山本昇雲《十二月》・根本雪蓬らが出品し、日月賞は石川竹邨《双鶴図》と尾形月三《花時雨》に贈られた。会期中、平林探溟筆「諸葛亮」ほか20余点が御買上になった。
1916
- 竹之台陳列館の貸与先の一覧に日月会の名が載る最後の年。大正6年(1917年)以降の一覧には載らない。
関連人物
- 創立委員・幹事 小林呉嶠 1901〜
1871年京都生まれの四条派の画家で、今尾景年に学んだ。谷中清水町に住み、「純正美術家作品研究会」を創立して日月会と号した一人。のち帝国絵画協会の会員にもなった
- 創立会員・幹事 根本雪蓬 1901〜
本名は柳作。1878年、千葉県市原郡鶴舞町の生まれで、矢内楳秀・荒木寛畝に学んだ。1901年に友人の小林呉嶠・岡倉秋水らと日月会を起こした
- 幹事 三尾呉石
本名は三尾秀太郎。1885年、東京・日本橋の生まれで、大橋翠石に学んだ四条派の画家。巽画会員。第4回展から出品を重ね、1910年の第9回展に《虎》を出した
- 幹事 金森南耕
1880年、東京の生まれ。金森南塘・尾形月耕に学んだ四条派の画家。第4回展・第5回展・第8回展に出品した
- 幹事
会員として参加し、幹事を務めた(1913・1914年の名鑑)。第4回展(1904年)・第6回展(1905年)・第11回展(1912年、《巴》)に出品した。
