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ティツィアーノ・ヴェチェッリオ聖愛と俗愛
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1899年、ロスチャイルド家は、ボルゲーゼ家が持つティツィアーノの初期の代表作《聖愛と俗愛》一枚に、400万リラを出すと申し出たという。1902年、国がボルゲーゼ家の邸宅と庭園、すべての美術品を買った額は360万リラだった。
注文主の手がかりは、二人の女性のあいだにある、泉に作り替えた古代の石棺の紋章だ。紋章はヴェネツィアの役人ニッコロ・アウレリオのもので、彼がラウラ・バガロットとの結婚に際して注文したとみられる。花嫁の父は1509年、共和国を裏切った罪に問われ、十人委員会に死刑を言い渡されて絞首刑になった。そのとき委員会の書記だったのが、花婿のアウレリオだった。
顔立ちがそっくりな二人は、一人の花嫁を二つの姿で描いたとする読みが、いまは有力だ。着飾った姿が人前での品位を、裸の姿が夫への熱い愛を表すという。天上と地上のヴィーナスとみる説もあり、意味は定まっていない。《聖愛と俗愛》という題も、画家本人が付けたものではない。いまの題に近い題が初めて記録に出るのは、1693年の目録である。
- 作品種別
- 絵画
- 技法
- 油彩・カンヴァス
- 制作年
- 1515–1516
- 作品サイズ
- 118 × 278 cm
作家プロフィール

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ
ティツィアーノ・ヴェチェッリオは《自画像》に、筆と騎士の鎖を描いた。絵の腕で皇帝から貴族の身分を授かり、《ウルビーノのヴィーナス》などを豊かな色彩で描いた、16世紀ヴェネツィア派最大の画家とされる。 アルプスの麓、ピエーヴェ・ディ・カドーレに生まれた。生年は1488〜1490年ごろとみる説が有力だ。
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