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暫 市川鰕蔵の碓井荒太郎貞光
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歌川国政歌川国政

暫 市川鰕蔵の碓井荒太郎貞光

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歌川国政が、55歳の市川鰕蔵(五代目市川團十郎)の一世一代の「暫」を描いた役者絵である。大英博物館の解説では、鰕蔵の引退に寄せた賛辞と解釈されている。寛政8年(1796年)11月、江戸の都座で上演された「清和二代遨源氏」に取材し、碓井荒太郎定光を演じる姿を描いた。

「暫」は、主人公が大声をかけて花道から現れ、殺されかけた人々を救う場面である。赤い筋隈は初代團十郎が始めた隈取で、勇気・正義・強さを表す役に用いる。袖の三升は市川家の紋である。役者の顔を真横から描く構図は、浮世絵でも珍しい。

目の描き方は歌舞伎の「にらみ」を表している。瞳孔と虹彩を2色で描き分け、白目の端に薄く青を差す手法について、影山幸一は師の豊国から受け継いだものだろうとみている。左上には「国政画」の落款と、極印・版元の印がある。同じ図の平木浮世絵財団の摺りは重要美術品である。

作品種別
版画
技法
木版多色刷/大判
制作年(画)
1796
作品サイズ
38.3 × 26 cm

作家プロフィール

歌川国政
歌川国政

歌川国政は、役者の顔の癖をとらえた似顔で、師の初代歌川豊国をしのぐと評された浮世絵師である。江戸の紺屋(染物屋)で働いていたが、女方の中山富三郎を描いた団扇絵で評判を得た。 安永2年(1773年)頃、会津に生まれた。名は佐藤甚助、号は一寿斎。浮世絵師の渓斎英泉が残した『無名翁随筆』によれば、国政は生まれつき芝居好きで、わずかな暇を見つけては芝居に通った。

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