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歌川貞虎近江八景之内 石山乃秋ノ月
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歌川貞虎の《近江八景之内 石山乃秋ノ月》で母が丸めているのは、月に供える月見団子である。琵琶湖南部の名所を選んだ近江八景の一つ、石山寺の秋の月を、子を背負う母の月見の支度に重ねている。
石山寺には、紫式部が八月十五夜の名月の晩に「源氏物語」の着想を得たという伝承がある。月見団子を供えるのは、陰暦8月の十五夜と9月の十三夜だった。江戸後期の風俗を記した「守貞漫稿」によると、十五夜には江戸で丸い団子を、京阪で里芋の形の団子を供えた。
この摺りは、メリーランド州の美術商の手を経て、1971年より後に同州の個人が購入した。1991年にウォルターズ美術館へ寄贈されている。





