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鳥居清長初代三枡徳次郎の夕霧・四代目松本幸四郎の伊左衛門(校合摺)
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鳥居清長が夕霧と伊左衛門の舞台を描いたこの一枚には、まだ色がない。錦絵を作る途中で、線の版だけを墨で摺った「校合摺」だ。こうした墨の摺りを手がかりに、色ごとの版木を彫る。同じ図の錦絵《初代三枡徳次郎の夕霧・四代目松本幸四郎の伊左衛門》と比べると、膝をついた男の上着の細かな地紋や、下の着物の格子が色の版で加えられたと分かる。
右に立つ遊女は、初代三枡徳次郎が演じる夕霧。その前で三味線を持つのは、四代目松本幸四郎が演じる藤屋伊左衛門だ。伊左衛門は夕霧に通い、勘当された若旦那である。
二人の上の高い台では、語り手二人と三味線弾きが客に姿を見せている。こうした「出語り」まで役者と一緒に描く出語り図を、清長は数多く手がけた。









