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鳥居清長浜町河岸の夕涼
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野口米次郎は評伝「鳥居清長」(1932年)で、この図ともう一枚を「濱町河岸の夕涼」として紹介し、清長が最も腕を見せた作品と評した。野口は組を仮に三枚続としたが、残る一枚を見たという人は聞いたことがないとも書いている。画面には「清長画」の落款があるが、題や出版元の印は見当たらない。
浜町河岸は、隅田川の右岸、武家屋敷が集まる浜町にあった荷揚げ場だ。野口はこの図を、芸者や遊女の世界に生きる女たちが、酒杯と三味線をしばし忘れて川風に涼む夏の宵と読んだ。空と水にかすかな明るさが残るのは、夜になってまだ間がないからだという。
構図では、女たちが並んで歩くもう一枚のほうがすぐれている、と野口は書く。それでも、この図の縁台に腰を掛けて横を向く女の手足の見せ方は「極めてリズミカル」だと褒めた。斜めに伸びたすねや両手、裾からのぞく足の指の白が、黒い絣の着物と明快なリズムを刻むという。









