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鳥居清長三代目瀬川菊之丞の石橋
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「浜村屋大明神」とも呼ばれた江戸の女方、三代目瀬川菊之丞が「石橋」を踊る姿である。能の「石橋」では、文殊菩薩が住むという清涼山の石橋のたもとに獅子が現れ、紅白の牡丹に戯れて舞う。歌舞伎はこの題材を女方の踊りに取り入れた。現存する最古の作は、初代菊之丞が享保19年(1734年)に踊った「相生獅子」で、この図の菊之丞はその名を継いだ三代目にあたる。
女方の石橋では、2枚の扇を獅子頭に見立てた扇笠に長い毛と牡丹をつけて踊り、毛は振らないのが基本だった。この図の笠や長い毛、両手の牡丹の枝は、その姿に合う。
東京国立博物館は同じ図の摺りを寛政元年(1789年)の作とする。野口米次郎は、菊之丞がこの年の春に市村座で石橋を踊り、大入りを取ったと書いた。裾が雲のように乱れて渦を巻く線を、野口は「かういふ描線は清長の独壇場である」と評している。左下の「永寿版」の印は出版元の西村屋与八のものだ。この摺りは、浮世絵に詳しかったアメリカの小説家ジェームズ・ミッチェナーの旧蔵品である。









