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テオドール・ジェリコー憂鬱症の男(伝テオドール・ジェリコー)
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スペインの生物学者ハビエル・S・ブルゴスは、ジェリコーの失われた肖像を探していた。2018年の夏の夜、展覧会の動画を一時停止し、見覚えのない肖像に気づく。ブルゴスは、これが探していた肖像の1点だと主張している。動画は2013年にイタリアのラヴェンナであった展覧会のもので、その図録もジェリコーの作としていた。
ジェリコーが心を病んだ人を描いた肖像は10点あったと伝わる。ねたみ偏執狂など5点は美術館にあり、残りは行方が分からない。2021年、ブルゴスは医学誌の論文で根拠を挙げた。大きさは美術館の5点と釣り合い、暗い背景に顔が浮かぶ構図も同じだという。頭頂の剃髪の跡と祭服のような衣から宗教に関わる偏執とみた。額のしわは、メランコリーの目印とされる「オメガ徴候」だという。
だが、この絵はジェリコーの全作品の目録に載っていない。マインツ大学の美術史家グレゴール・ヴェーデキントは「美術史の真剣な議論にはなっていない」と述べ、誰が持っていたかの記録と詳しい分析なしにジェリコーの作とはみなせないとする。
- 作品種別
- 絵画
- 技法
- 油彩・カンヴァス
- 作品サイズ
- 62 × 47 cm
作家プロフィール

テオドール・ジェリコー
馬に憑かれた画家だった。ルーアンの裕福な家に生まれ、パリでカルル・ヴェルネ、続いてピエール=ナルシス・ゲランに学んだが、教室の外でルーヴルに通い詰め、ルーベンスの肉体の躍動とミケランジェロの量感を独学で自分の血肉にしていった人だった。二十歳そこそこで発表した《突撃する近衛猟騎兵》は、まだ革命の硝煙が残るパリの空気を、跳ね上がる馬の前脚一本に凝縮してみせた。
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