江戸の絵師で、光そのものを主役にした者はほとんどいない。葛飾応為(生没年不詳、1800年頃〜1857年以降)——葛飾北斎の三女お栄は、その例外だった。代表作《吉原格子先之図》では、張見世の格子から漏れる提灯の光が夜道を切り裂き、人物はほとんど影絵になる。西洋画を思わせる明暗のなかで光源を画面の内側に置くこの大胆さは、当時の日本の絵ではきわめて珍しい。
1818–1860・紙本着色/掛幅
1818–1844・絹本着色/掛幅