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東洲斎写楽三代目大谷鬼次の江戸兵衛
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不自然にも見える両手から、襲いかかる盗賊の殺気が伝わる。三代目大谷鬼次が盗賊の頭・江戸兵衛を演じる姿を描いた、写楽の代表作の一つである。写楽が最初に出した28図に含まれる。
芝居は、大名家のお家騒動を背景にしている。江戸兵衛は悪役に頼まれ、京の四条河原で侍の家来・一平を襲い、金を奪おうとしている。下からにらみ上げる目の先に初代市川男女蔵の奴一平を並べると、襲う側と襲われる側が向き合う。
この図は長く「奴江戸兵衛」と呼ばれてきた。「奴」は武家に仕える下僕のことで、江戸兵衛を悪役の家来とみた呼び名らしい。だが、当時の配役を知らせる刷り物に「奴」は付かず、台本でも江戸兵衛は家来ではない。東京国立博物館は平成23年(2011年)の特別展で、この「奴」を誤りとした。











