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アルブレヒト・デューラー犀
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1515年5月20日、インドから生きたサイがリスボンに着いた。生きたサイがヨーロッパに来たのは古代以来だった。国王マヌエル1世はサイを教皇レオ10世に贈った。船はイタリア沖で難破し、鎖につながれたサイは溺れた。デューラーは実物を見ず、リスボンから届いた知らせと素描をもとに描いた。
銘文は「Nach Christus gepurt. 1513」で始まり、到着を1513年5月1日と誤る。デューラーの下絵にも同じ誤りがある。銘文によれば、サイはまだらの亀の色で厚い殻に覆われ、象ほど大きいが脚は短い。鼻の角を石で研ぎ、象の腹を裂く宿敵だともいう。こうした記述の多くは、古代ローマのプリニウス『博物誌』に拠る。
版木は8度刷り継がれ、デューラー存命中の版は1515年の初版だけである。銘文は活字で組まれ、後の版では組み直された。初版の銘文は5行で、リヒテンシュタイン侯家旧蔵のこの摺りも5行に収まる。背の小さな角やうろこ状の脚は、実際のサイにはない。この図は18世紀まで写し継がれ、ドイツでは1930年代まで教科書に載った。図はヤン・ヨンストンの『動物図譜』にも載って江戸時代の日本に伝わり、谷文晁がそれを写した《犀図》が残っている。
- 作品種別
- 版画
- 技法
- 木版
- 制作年(画)
- 1515
- 作品サイズ
- 23.8 × 30.1 cm
作家プロフィール

アルブレヒト・デューラー
ニュルンベルクの金細工師の息子として生まれ、絵筆より先に彫金の道具を握った手が、のちに版画史そのものを塗り替えることになる。徒弟時代に木版画工房を営む画家ミヒャエル・ヴォルゲムートのもとで修業し、若くしてすでに線を刻む仕事の厳密さを身につけていた。二度にわたるイタリア行きが転機になる。
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