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鈴木春信見立七小町 鸚鵡小町
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たった一字で、問いかけの歌が返事の歌になる。鈴木春信の《見立七小町 鸚鵡小町》は、小野小町のそんな機転を、江戸の女と娘の場面に移した絵である。小町の伝説を扱う七つの能の演目を「七小町」といい、この絵はその一つにちなむ。
百歳に及ぶ小町に、帝は「雲の上はありし昔に変らねど見し玉簾の内やゆかしき」と歌を贈った。宮廷は今も恋しいか、という問いかけである。小町は「内や」を「内ぞ」に変えて返した。「ぞ」で言葉を強めると、同じ歌が宮廷を恋しく思う返事になると読める。歌の一部を変えてすぐに返す、この和歌の技法を「鸚鵡返し」という。
「鸚鵡」はオウムのことで、衝立の白い鳥にも題をしのばせたと読める。この摺りの左下にある朱の丸印「林忠」は、明治時代にパリで浮世絵などの日本美術を商った林忠正の印と同じ形をしている。









