
Public domain
ジョン・エヴァレット・ミレイ冷たい十月
0
友人の多くには、この川の淀みの何を絵にするのか分からなかった。だが、ミレイの《冷たい十月》は、風景だけを描いた絵として初めて展覧会に出した作品で、彼の風景画で最も人気を集めた。
ミレイは、汽車の窓から見たスコットランドのテイ川の景色を何年も心に留めていた。ここを選んだのは、この景色がいつも心に呼び起こす思いがあったからだ、と本人は書いている。高さ約1.4メートル、幅約1.9メートルのカンヴァスに、下絵なしで自然を前に描いた。風雨に悩まされ、足場は一度潮にさらわれ、通りかかる汽車には絵を川へ吹き飛ばされそうになった。
その思いは、見る人にも届いた。のちの風景画にはないもの悲しさがあると評され、画家ハーコマーは、題が風景に詩情を添えたと書いた。画家のフィンセント・ファン・ゴッホも1877年の手紙でほめ、1884年にも思い続けているイギリスの絵として挙げた。
- 作品種別
- 絵画
- 技法
- 油彩・カンヴァス
- 制作年
- 1870
- 作品サイズ
- 141 × 186.7 cm
作家プロフィール

ジョン・エヴァレット・ミレイ
夏目漱石が「草枕」で何度も取り上げた「ミレーのオフェリヤ」は、ジョン・エヴァレット・ミレイの《オフィーリア》である。ミレイは19世紀イギリスの画家で、ラファエル前派兄弟団をつくった一人であり、のちにこの時代でもっとも成功した画家の一人となった。 フランスの画家ジャン=フランソワ・ミレーとは別人で、日本では区別するためにミレイと書くことも多い。
プロフィールを見る







