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源氏物語図屏風(若菜上)
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土佐光起土佐光起

源氏物語図屏風(若菜上)

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『源氏物語』第34帖「若菜上」の一場面である。三月の末、光源氏の邸、六条院で蹴鞠が催された。そこへ御簾の内から唐猫が走り出た。猫につけた長い綱が物に絡み、御簾の端が引き開けられた。蹴鞠に加わっていた柏木は、奥に立つ源氏の正室、女三宮を垣間見た。柏木はかねて女三宮を妻に望んでいた。この日から思いはさらに募った。続く「若菜下」で、柏木は女三宮と密通した。第36帖「柏木」で、女三宮は薫を産んで出家した。柏木は病に伏したまま世を去った。

桜の下に浮く小さな球が鞠である。殿舎の簾越しには、騒ぎのもとになった猫が透けて見える。殿舎は屋根を省き、室内を斜め上から見せている。この描き方は「吹抜屋台」と呼ばれ、平安時代以来の物語絵の約束事である。

アメリカの実業家チャールズ・ラング・フリーアが、1904年に美術商の山中商会からこの屏風を買った。同じ年に同じ店から、ほぼ同寸の光起筆の屏風をもう一隻買っている。こちらは第2帖「帚木」の場面である。2点とも1920年にフリーア美術館へ移った。

作品種別
絵画
技法
紙本着色金彩/六曲屏風
作品サイズ
171.7 × 376.8 cm

作家プロフィール

土佐光起
土佐光起

堺の町で生まれ育ったというだけで、この人の出発点がどれほど厳しいものだったかが分かる。土佐派は本来、宮廷絵所預という由緒ある地位を担ってきた一族だが、光起の代には都を離れ、家格も傾きかけていた。若き光起はまず堺で腕を磨き、のちに京へ上って一族の再興を志す。

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