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マーティン・パー

マーティン・パー

Martin Parr
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海辺の砂の上に、ケチャップまみれのフライドポテトが山盛りで転がっている。日焼けした肌、けばけばしい水着、ゴミの散らばる浜辺——マーティン・パーが1983年から85年にかけてリヴァプール近郊の行楽地ニュー・ブライトンで撮り続けた写真は、そういう光景で埋まっている。1952年、サリー州エプソムに生まれたパーは、アマチュア写真家だった祖父に手ほどきを受けて写真を始め、1970年からマンチェスター・ポリテクニックで学んだ。

ニュー・ブライトンでの仕事は写真集《The Last Resort》にまとめられ、1986年にサーペンタイン・ギャラリーで発表された。飽和したどぎつい色彩と、日中でも容赦なく焚くフラッシュ。労働者階級の家族が過ごす休日を、まるで顕微鏡で覗くような近さで写し取ったその写真は、「残酷で覗き見的だ」という批判を浴びる一方、サッチャー政権下のイギリスをこれ以上なく生々しく映し出した一枚として語り継がれることになった。

以後もパーは、スーパーマーケットの棚、観光地の土産物、ビュッフェの皿に盛られた料理といった消費社会の風景を《Common Sense》などの仕事で撮り続けた。対象への距離の詰め方も、色の毒々しさも変えないまま、世界中の似たような光景を並べていくその視線は、旅行者でも人類学者でもない、パーだけの立ち位置から生まれたものだった。1994年にマグナム・フォトの正会員となり、2013年から2017年まで会長を務める。生涯に刊行した写真集は100冊を超え、2017年には拠点としていたブリストルにマーティン・パー財団を開いた。2025年12月、同地で73歳の生涯を閉じた。

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