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ジョン・コンスタブル

ジョン・コンスタブル

John Constable
12 作品

サフォークの製粉業の息子として生まれ、生涯のほとんどをストゥア川流域、のちに「コンスタブル・カントリー」と呼ばれる故郷の風景を描くことに費やした画家である。ロンドンの王立アカデミーで学んだものの、当時もてはやされた歴史画や肖像画には見向きもせず、実家の水車小屋や刈り取り前の麦畑、荷馬車が渡る浅瀬といった、何でもない日常の光景に対象を絞り続けた。師匠らしい師匠は持たないが、クロード・ロランの光の詩情と、オランダのヤーコブ・ファン・ロイスダールの空の描写から学び、戸外で油彩の習作を重ねて雲や光の移ろいを記録する「スカイング」を実践した。この観察の徹底ぶりは科学者的ですらあり、代表作干し草車(1821年)や白馬に息づく湿った大気感と生々しい筆致は、そこから生まれている。

イギリス本国での評価は長く鈍く、王立アカデミー会員に選ばれたのも1829年、53歳とかなり遅かった。むしろ先に火がついたのはフランスで、1824年のサロンに出品した干し草車が金メダルを受賞し、ウジェーヌ・ドラクロワをはじめとするロマン派の画家たちを驚かせ、のちのバルビゾン派の写生精神にも道を開いた。1816年に結ばれた妻マリアとの結婚生活は幸福だったが、1828年に彼女が結核で早逝すると作風は翳りを帯び、晩年のソールズベリー大聖堂などには嵐のような激しい空が現れるようになる。同時代のJ.M.W.ターナーが劇的な色彩と光の幻視で風景画を塗り替えたのに対し、コンスタブルは目の前にある土地への忠実さを貫き、後年の印象派やバルビゾン派に連なる「その場で見たものを描く」という近代風景画の礎を築いた。

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