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フランツ・マルク

フランツ・マルク

Franz Marc
9 作品

馬を描かせたら、この人の右に出る者はいない。ミュンヘンの牧師の家に生まれ、最初は神学を志したというから面白い。結局は画家の道を選び、動物、とりわけ馬を一貫して描き続けた画家として名を残すことになる。

マルクにとって動物は人間より純粋な存在だった。産業化し戦争へ向かう人間社会を尻目に、彼は森の中の鹿や群れる馬たちに、まだ穢れていない魂の形を見ようとした。大きな青い馬たちの、こんもりとした丘の稜線と重なるように寝そべる三頭の馬は、写実からは遠く離れているが、どこか祈りにも似た静けさをたたえている。彼にとって青は男性的・精神的なものの色、黄は女性的でやわらかなものの色、赤は物質と暴力の色だった――独自の色彩象徴を組み立て、その理論のとおりに馬を塗った。

1911年、ワシリー・カンディンスキーとともに「青騎士」を旗揚げする。名前の由来は諸説あるが、二人とも馬と青が好きだったから、という逸話がよく語られる。ロベール・ドローネーのオルフィスムやキュビスムから幾何学的な色面構成を吸収し、晩年の動物の運命では画面全体が鋭い色の破片と化し、来るべき破局を予告するかのような緊迫感を帯びていく。親友のアウグスト・マッケとはミュンヘンとボン、互いのアトリエを行き来する仲だったが、そのマッケも1914年、第一次大戦の初戦で命を落とす。

マルク自身も志願兵として西部戦線に赴き、1916年3月、ヴェルダンの激戦のさなかに戦死した。まだ36歳、画業はわずか十数年にすぎない。もし彼が生き延びていたら、と惜しまれ続けている画家の一人である。

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