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岸田劉生麗子微笑
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手に握っているのは青いみかんで、前年の作では花だった。
描いたのは大正10年(1921年)10月15日で、1914年生まれの長女・麗子は7歳だった。劉生は1918年から没年の1929年まで、油彩で約30点、素描や日本画を含めると100点以上の麗子像を描いた。この一点はそのなかで最もよく知られ、1971年に重要文化財になった。
肩掛けは劉生が住んだ鵠沼の漁師の娘の持ち物で、劉生自身が「粗末な田舎の百姓家の手製の品」と書いている。その毛糸の盛り上がりを油絵具の厚みで写した。構図はファン・エイクの《撫子を持つ男》に倣ったもので、劉生は当時デューラーやファン・エイクなど北方ルネサンスの細密な写実に傾いていた。劉生はこの絵について「今迄の私の畫にあまりなかつた、やはらか味が加へられてあります」と述べた。東京国立博物館にある。
- Genre
- Japanese & Asian
- Work Type
- Painting
- Technique
- 油彩・カンヴァス
- Year Created
- 1921
- Dimensions
- 44.2 × 36.4 cm
Artist profile

岸田劉生
岸田劉生は銀座に生まれた。父は「精錡水」で財を成した実業家にして新聞人、岸田吟香。裕福な家で育ちながら早くにキリスト教へ傾倒し、やがて画業へ舵を切って黒田清輝の白馬会に学ぶが、そこで教わった穏当な外光派には長くとどまらなかった。二十歳そこそこで飛び込んだのはフュウザン会、セザンヌやゴッホの荒々しい筆致に憑かれた一時期だ。
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