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菱田春草落葉 右隻
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この屏風は、明治42年(1909年)の第3回文展で二等賞第一席を受けた《落葉》(六曲一双)の右隻である。菱田春草は、療養のため移り住んだ代々木の雑木林から材料を集めた。手前の杉(スギ)は若木で、奥へ続く櫟(クヌギ)は若木、成熟した木、瘤のある老木の順に並ぶ。四扇目の櫟の枝にいる小鳥はジョウビタキである。
地面の葉は、輪郭線で乾いた質感を、濃淡で湿った質感を描き分けている。両者を重ねることで、落葉が土へ還る経過を表すと読まれている。翌年の画論「画界漫言」で、春草は距離の法則が「画の面白味」とぶつかることに触れ、「「落葉」にもさうした場合が多かつた」と書いた。
文展では開会二日目に350円で売れた。買い手は流山の秋元洒汀だった。春草の没後、1万円で譲ってほしいという申し出があっても、洒汀は家宝だとして断った。
- Work Type
- Painting
- Technique
- 紙本著色/六曲一双屏風のうち右隻
- Year Created
- 1909
- Dimensions
- 157 × 362 cm
Artist profile

菱田春草
菱田春草は、代表作《黒き猫》を自ら「駄作黒き猫」と呼んだ日本画家である。腎臓炎による網膜炎で失明の危機に遭い、亡くなる前の二年あまりに《落葉》《黒き猫》を描いたが、慢性腎臓炎のため満36歳で没した。 明治7年(1874年)、いまの長野県飯田市仲ノ町に生まれた。明治23年(1890年)に東京美術学校へ入り、橋本雅邦や校長の岡倉天心に学んだ。
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