
Public domain
歌川国直新版浮絵 東叡山之春景
0
歌川国直が江戸の桜の名所、上野寛永寺を描いた一図で、西宮新六が出した連作「新版浮絵」に属する。浮絵は西欧の透視画法で奥行きを強調した浮世絵で、近景が浮き出て見えることから名付けられた。題の東叡山は寛永寺の山号で、京の鬼門を守る比叡山にならい「東の比叡山」を意味する。
図中の建物には名が記されていない。寛永寺には、同じ形の法華堂と常行堂を左右に並べ、屋根付きの高廊下でつないだ造りがあった。参詣者は廊下の下をくぐって根本中堂へ向かった。これらの堂宇は慶応4年(1868年)の上野戦争で焼失した。
短冊には出版元を示す「春松軒 西宮新六梓」が摺られ、署名の上には「極」の印がある。同じ短冊の形を用いた浮絵に新版浮画 金龍山仁王門之図東都両国橋河開夜景之図がある。この摺りはウィリアム・スタージス・ビゲローの旧蔵で、1911年にボストン美術館へ寄贈された。









