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フィンセント・ファン・ゴッホ医師ガシェの肖像
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ポール・ガシェはオーヴェル=シュル=オワーズの医師で、1890年5月にサン=レミから移ってきたゴッホの主治医だった。ゴッホは弟テオに、ガシェに「本当の友人を見つけた、もう一人の兄弟のようだ」と書いている。卓上のジギタリスは心臓の薬の原料で、医師の職業を示す持ち物である。ゴッホはこの肖像の憂鬱な表情を、人によっては「しかめ面に見えるかもしれない」と書き、現代の肖像には「モデルの思想と魂」を入れたいと述べた。
1890年6月に二点描かれた。最初の一点は卓上に黄色い本が二冊あり、この二点目にはない。最初の一点はフランクフルトのシュテーデル美術館が1911年に買い、1937年にナチスが「退廃芸術」として没収した。1990年にニューヨークのクリスティーズで大昭和製紙の齊藤了英が8,250万ドルで落札し、1996年に齊藤が没したあとは行方がわかっていない。この二点目はガシェ家に残り、1950年代初めに遺族がフランス国家に遺贈した。ゴッホの死の一か月余り前の作である。
- 作品種別
- 絵画
- 技法
- 油彩・カンヴァス
- 制作年
- 1890
- 作品サイズ
- 67 × 56 cm
作家プロフィール

フィンセント・ファン・ゴッホ
オランダ南部、牧師の家に生まれる。画商の見習い、ロンドンやパリでの奉公、教員、そして炭鉱町での伝道師と、二十代半ばまで職を転々とし、そのどれにも居場所を見つけられなかった。画家になろうと決めたのは27歳を過ぎてから。独学に近く、アントン・マウフェに短く師事した程度で、初期はオランダの農民や織工を沈んだ土色で描いた。
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