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歌川広重名所江戸百景 浅草田甫酉の町詣
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格子窓の向こうの行列は酉の市へ向かう人々で、畳には熊手をかたどった簪が置いてある。
『名所江戸百景』の一図である。酉の市は11月の酉の日に浅草田圃の鷲神社で開かれ、縁起物の熊手を売る。吉原はその隣にあり、この日は遊女屋にも客が多かった。広重は行列も神社も遠くに小さく置き、部屋の主の遊女を描かず、猫と簪と手拭だけでその人がいることを示している。
『名所江戸百景』は安政3年(1856年)から5年まで版元・魚屋栄吉が出した揃物で、目録1枚と119図からなる。広重(1797〜1858)は完成前に没し、二代広重が補った。ゴッホが大はしあたけの夕立と亀戸梅屋舗を油彩に写し、ホイッスラーが《青と金のノクターン》を描くもとにした揃物である。









