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歌川国貞(三代目歌川豊国)岩戸神楽ノ起顕
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三代歌川豊国(国貞)の大判三枚続《岩戸神楽ノ起顕》のうち、中図の左右を詰めた図である。題は右図の札にある。左端で切れた赤い札は「豊国画」の落款、左下に半分残る印は版元遠州屋彦兵衛の「遠彦」である。中図の右下、この図の外には年月印「辰十二」と改印があり、安政3年(1856年)12月の改めを示す。
『古事記』によれば、天照大神は弟須佐之男命の乱暴を恐れ、天の岩屋戸にこもった。天地は真っ暗になった。神々は岩戸の前で神事を行った。天宇受売命が踊ると、神々はどっと笑った。不審に思った大神が戸を細く開けたとき、天手力男命がその手を取って引き出した。右で岩の縁に手をかける、髪の逆立った神がこの天手力男命である。岩戸の前の舞は神楽の起こりと伝えられる。
神々は役者の似顔で描かれている。名入りの摺りでは、中図に「尾上菊五郎」「河原崎権十郎」「市川團蔵」の札が入る。権十郎は、のちの九代目市川團十郎である。この図は札のない摺りである。
作家プロフィール

歌川国貞(三代目歌川豊国)
幕末の江戸で「浮世絵師」と言えば、まずこの人を指した。歌川国貞(1786〜1865)、のちの三代目豊国。生涯の作画量は一万点をゆうに超えるとされ、質はともかく量において、浮世絵史上に並ぶ者はいない。本所五ツ目の渡船場の株を持つ家に生まれ、十代で初代歌川豊国に入門。若くして役者絵の似顔の巧さで頭角を現した。 真骨頂は役者絵である。
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