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勝川春章柱を持ち上げる初代中村仲蔵
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勝川春章が描いた初代中村仲蔵は、大きく「不動明王」と刷られた石柱を抱えている。その脇には小さく「大入大當り」「堺町」とある。「大入り」は客が大勢入ること、「大当り」は芝居が大評判になることだ。堺町には芝居小屋の中村座があった。文字を合わせると、悪をはらう仏教の守り神・不動明王に、芝居町が興行の成功を願って奉納した柱と読める。
この絵は、春章が役者絵で人気を集めた安永年間(1772〜81年)ごろの作で、二枚を横につなげて一つの場面にする版画の左側にあたる。仲蔵は侍の役を演じているが、役名と芝居の題は分かっていない。
仲蔵は、家柄の後ろ盾のない端役から出発した役者だった。明和3年(1766年)には「仮名手本忠臣蔵」五段目で、山賊に落ちぶれた侍・斧定九郎を新しい工夫で演じ、出世のきっかけをつかんだ。そのときの苦心は、のちに講談や落語になった。









