
CC0
勝川春章三代目瀬川菊之丞・初代尾上松助の紅葉狩
0
紅葉狩りの宴で武将をもてなす美しい女たちは、山の鬼だった。勝川春章が、能の「紅葉狩」を歌舞伎の踊りにした舞台を描いた一枚である。春章が役者絵で人気を集めた安永年間(1772〜81年)ごろの作だ。
物語では、武将の平維茂が女たちに酒をすすめられ、酔って眠る。八幡宮の使いの神が女たちの正体を告げ、剣を授ける。目覚めた維茂は鬼を退治する。
女を演じる三代目瀬川菊之丞は、女の役を専門にした男の役者だ。美しい顔立ちとせりふのうまさで知られ、「大明神」とまで呼ばれた。男は初代尾上松助が演じている。その顔の赤い化粧の線は、歌舞伎では正義と勇気を表す。この筋と化粧の意味を踏まえると、二人は女に化けた鬼と維茂に重なって見える。ただし、二人の役名は記録にない。









