胸毛まで金泥で描き込んだ白鳳凰が老松に舞い降りる。動植綵絵三十幅の中でも最も豪奢な一幅。
庭に数十羽の鶏を放し、朝な夕なその姿を写し続けた男がいた。羽の重なり、蹴爪の反り、地を掻く一瞬の脚——飽きるほど眺めてから、ようやく筆を執る。伊藤若冲は正徳6年(1716年)、京・錦小路の青物問屋「枡屋」に長男として生まれた。家業を切り盛りするかたわら、まず狩野派の筆法を習い、次いで舶来の宋元画を一枚また一枚と模写し、尾形光琳ら琳派の金地の装飾も取り込んだ。
1759
1761
1765