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萬鉄五郎風船をもつ女
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萬鉄五郎の《風船をもつ女》では、題に反して女性は風船を持っていない。赤い風船は、女性の背後に上がっている。その風船に、当時、新聞や雑誌で話題になった「新しい女」を重ねる読みがある。平塚らいてうらの雑誌『青鞜』は、新聞や雑誌がこしらえた「新しい女」を「一種の風船玉のやうだ」と書いた。世間がふくらませた女性像を、絵の風船に重ねる見方だ。ただし、萬がこの言葉を思い浮かべたかは分からず、女性のモデルも特定されていない。
萬は1913年、松井須磨子の劇団・芸術座の旗揚げ公演で舞台装置を手がけた。画面左の電灯の強い光には、劇場の照明に関わった経験が響いているとみる説もある。
絵の裏には、萬によるとみられる「習作」の書き込みがある。一方で、発表の場の無かった萬には意外に大きな絵だった。いつか展覧会に出すつもりで描いた可能性もある。
- 作品種別
- 絵画
- 技法
- 油彩・カンヴァス
- 制作年
- 1913
- 作品サイズ
- 72.4 × 52.9 cm









