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喜多川歌麿鮑取り(左)
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喜多川歌麿の鮑取りの三枚続は二つある。これは天明8年〜寛政2年(1788〜90年)頃の早いほうで、その左の1枚だ。中の図では舟に上がる海女を仲間が助け、右の図では海女が潜ろうとしている。子に乳を含ませる海女を描いた《鮑取り(中)》は、寛政9〜10年(1797〜98年)頃のもう一つの三枚続に入る。
地形から、舞台は江の島の岩屋前の俎岩とみられる。岩場から眺める旅の女たちは、弁財天に参る江の島詣の人々と考えられている。ただ、江の島で鮑を取ったのは男の海士だった。天保9年(1838年)の道中記には「賃銭を受、海中へ飛入鮑取也」とある。この図の海女は、絵のための置きかえと読める。
1891年、フランスの批評家エドモン・ド・ゴンクールは、濡れた髪に包まれて泳ぐ海女を、この世に戻る死者の霊を描く日本の絵になぞらえた。この摺りは1913年春、収集家のスポルディング兄弟が来日中の建築家フランク・ロイド・ライトから買った。ライトは浮世絵の売買もしていた。兄弟は1921年にボストン美術館へ寄贈した。
- 作品種別
- 版画
- 技法
- 木版多色刷(版元 鶴屋喜右衛門)/大判三枚続
- 制作年(画)
- 1788–1790
- 作品サイズ
- 39.2 × 26.3 cm









