期間限定 手数料割引中 出品者3% 購入者1%
山口長男

山口長男

やまぐち たけおTakeo Yamaguchi
0 作品

黒く沈んだ画面の中央に、黄土色の大きな塊が一つ、どっしりと居座っている。輪郭は定規で引いたような硬い線ではなく、厚く盛った絵具のまま土くさく波打つ。名前のつけようもないその形を、山口長男は一枚また一枚と、生涯かけて描き続けた。

山口長男(1902〜1983)は、大韓帝国の漢城府(現・ソウル)に生まれた。本郷洋画研究所で岡田三郎助に学び、東京美術学校を出るとすぐパリへ渡る。滞欧中にピカソやブラックの造形を目のあたりにし、同郷の佐伯祐三の張りつめた制作ぶりに触れ、彫刻家オシップ・ザッキンのアトリエに出入りして、立体的なフォルムの扱いを肌で覚えた。

帰国してからの山口は、形をひたすら削っていく。黒い地の上に黄土や赤茶の色面を厚く塗り重ね、大きな有機的なかたまりを一つ二つと置く。エッジは硬く切り立たず、絵具の物質感をともなって鈍く息づき、単純きわまる画面に量感と沈黙のような重みが残る。六〇年代に入ると余分なものはさらに落ち、《劃-赤》(1968、島根県立美術館)では赤茶けた色面が黒地を割るように立ち上がり、《脈》(1968、静岡県立美術館)では太い形が画面をゆっくり横切る。

二科展の再結成に会員として加わり、1954年には日本アブストラクト・アート・クラブの一員としてニューヨークの抽象美術展に出品。サンパウロ・ビエンナーレ、ヴェネツィア・ビエンナーレへ日本代表として作品を送り出した。武蔵野美術大学の教授、のちに学園長として後進を育て、1961年に芸術選奨文部大臣賞を受けている。

山口長男の作品をお持ちですか?

Cugiraで出品してみませんか?

出品する

作品が見つかりません