
サム・フランシス
Sam Francis
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サム・フランシス(1923〜1994)は、抽象表現主義の第二世代に連なるアメリカの画家である。絵筆を握るきっかけは病床にあった。第二次大戦中、空軍在籍中に脊椎を病んで長い療養生活に入り、見舞いに来た画家デイヴィッド・パークに勧められて絵を描き始めた。快復後はカリフォルニア大学バークレー校で美術を学び、1950年代にはパリへ拠点を移す。
この画家の絵を見分ける手がかりは、絵具の斑点が画面の縁へと押しやられ、中央にぽっかりと白が残される、その配置にある。滴り、飛沫となった色の粒が周縁に群れる一方、手つかずの白は塗り忘れではなく、光そのもの、あるいは息づかいとして画面を支えている。余白を積極的な要素として使いこなしたところに、この画家らしさがある。パリでは批評家ミシェル・タピエらに見出され、タシスムの動きと結びついていった。
日本にもたびたび滞在し、余白を生かす感覚は東洋の美意識と深く響き合った。晩年は前立腺癌のため右手が使えなくなったが、左手に持ち替えてなお約150点の小品を描き続けた。
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