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ジャン=レオン・ジェローム

ジャン=レオン・ジェローム

Jean-Léon Gérôme
15 作品

ヴズールの田舎町からパリに出てきた若者は、ポール・ドラローシュの工房で絵筆の運び方より先に「物語をどう見せるか」を叩き込まれた。師について訪れたイタリアで古代彫刻の量感を学び、帰国後に発表した雄鶏の戦いが一躍評判を呼ぶ。裸体の若者と鶏を組み合わせた奇妙な取り合わせは、当時の絵画教育がもたらす折衷の妙を体現していた。

この人の絵は、写真のようにという形容がむしろ足りないほど克明だ。ポリケ・ウェルソ(親指を下に)では、コロッセウムの砂の上で剣闘士が倒れた敵にとどめを刺すかどうか、観客の親指の向きひとつに息をのむ緊張感を封じ込めた。歴史画に映画的なコマ割りの感覚を持ち込んだ最初の一人と言っていい。

義父にあたる画商アドルフ・グーピルの版元が彼の作品を版画や写真で大量に複製し、パリの画壇的評価とは別の回路でヨーロッパ中、さらにはアメリカにまで名を轟かせた。エジプトやトルコへの旅を重ねて描いた蛇使いや奴隷市場は、異国の光と生活を写し取ったオリエンタリスムの代表作として今も図版で目にする機会が多い。

エコール・デ・ボザールの教壇に立ち、大西洋を越えてやってきたトマス・エイキンズをはじめ多くの弟子を育てた一方、晩年は台頭する印象派を頑固に嫌い、カイユボット遺贈の受け入れに公然と反対した保守派の顔でも知られる。時代に置き去りにされる恐れを誰より強く感じていたのかもしれない。60代からは彩色彫刻にも手を伸ばし、絵筆と鑿の両方で自らの完璧主義を最後まで押し通した。

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