
アンリ・カルティエ=ブレッソン
Henri Cartier-Bresson
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シャッターを切るより先に、絵筆を握っていた。アンリ・カルティエ=ブレッソン(1908〜2004)は、パリ近郊シャントルー=アン=ブリの裕福な繊維業の家に生まれ、はじめは画家を志した。1927年からアンドレ・ロートのアトリエで学んだ画面の秩序が、のちの写真の構図を支えている。写真に転じたのは1931年頃、マーティン・ムンカーチの一枚のスナップを目にしたときだった。
1932年、35mmのライカを手に入れてからは、その撮り方を生涯変えなかった。小型カメラを提げて街や旅先に立ち、人と物がほんの一瞬だけ釣り合う瞬間を待ってシャッターを切る。1933年、ニューヨークのジュリアン・レヴィ画廊で初個展を開いた。1947年にはニューヨーク近代美術館で回顧展を迎え、同じ年、ロバート・キャパ、デヴィッド・シーモア、ジョージ・ロジャー、ウィリアム・ヴァンディヴァートとともに写真家協同組合マグナム・フォトを興している。1952年の写真集《Images à la sauvette》(邦題『決定的瞬間』)には、そうして積み重ねた眼差しが収められた。
1968年頃からカメラを置き、ふたたび素描と絵画に戻っていく。2003年、パリに自作を守る財団を設け、翌2004年8月、南仏で95歳の生涯を閉じた。
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