期間限定 手数料割引中 出品者3% 購入者1%
ジョルジュ・ド・ラ・トゥール

ジョルジュ・ド・ラ・トゥール

Georges de La Tour
12 作品

一本のろうそくが、闇の中に人の輪郭だけを浮かび上がらせる。ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの絵を見ると、まずその静けさに息を呑む。ロレーヌ地方ヴィック=シュル=セイユに生まれ、生涯の大半を戦乱と疫病の続くリュネヴィルという田舎町で過ごした画家だが、その絵には都会の喧騒とは無縁の、時が止まったような集中がある。

若い頃にどこで修業したのかはよくわかっていない。ローマかネーデルラントを訪れ、カラヴァッジョの劇的な明暗法を知る画家たちの仕事に触れた可能性が指摘されているが、確証はない。ただ、彼が独自にたどり着いた光の使い方は、カラヴァッジョ本人とも、同時代のユトレヒトの追随者たちとも違う。ろうそくの炎を画面の内側に置き、その一点から光を波及させて人物の頬や指先を彫刻のように照らし出す──大工の聖ヨセフで幼子イエスがろうそくの灯りに手をかざす場面、ゆれる炎のあるマグダラのマリアで悔悟する女がしんと燃える炎を見つめる場面。宗教画であってもそこに大仰な身振りはなく、ただ光と沈黙だけがある。

一方でいかさま師のような風俗画では、ロレーヌ公やのちにはルイ13世の宮廷からも注文を受けた画家らしい、鋭い人間観察も見せる。金持ちの若者を囲んで目配せを交わす賭博師たちの表情は、道徳劇のようでいて生々しい。

生前は評価され裕福でもあったが、1652年に疫病で世を去ると急速に忘れられ、名前も作品もほぼ200年以上埋もれたままだった。再発見は20世紀に入ってから。1915年にドイツの美術史家ヘルマン・フォスが業績をたどり直し、1934年のパリでの展覧会「現実の画家たち」で本格的に光が当てられる。忘れられていた期間の長さが、かえって彼の絵の完成度の高さを際立たせている。誰の影響も受けずに描かれたかのような、孤絶した静けさがそこにはある。

ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの作品をお持ちですか?

Cugiraで出品してみませんか?

出品する
12件