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クリスト・ヤヴァシェフ

クリスト・ヤヴァシェフ

Christo Javacheff
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1935年、ブルガリアのガブロヴォに生まれた。ソフィアの美術アカデミーで学んでいた1956年、ハンガリー動乱が起きる。国境が緩んだ隙にプラハ経由でウィーンへ逃れ、ひと学期だけ大学に通ったのち、スイスを抜けてパリにたどり着いた。手元に残ったのは肖像画の腕だけで、しばらくはそれを売って食いつないだ。パリではヌーヴォー・レアリスムの作家たちと知り合い、1959年、ジャンヌ=クロードと出会う。彼女は生涯の伴侶であり、以後すべての仕事の共同制作者になった。

二人が選んだ素材は布だった。建物であれ島であれ、目の前にあるものをまるごと布でくるみ、覆い、しばらくして取り去る。1983年、マイアミのビスケーン湾に浮かぶ11の島を、ピンクのポリプロピレン布で縁取った《囲まれた島々》では、青い海面に鮮やかな色の輪が浮かび上がり、見慣れた入江が別の風景に変わった。ベルリンの連邦議会議事堂を銀色の布で包んだ《包まれたライヒスターク》は、1971年に構想を持ちかけてから実現まで24年を要した。議会での度重なる否決を経て1995年にようやく許可が下り、10万平方メートルの布と鋼のロープで建物全体が覆われた。

どの作品も設置期間はわずか数日から数週間で、終われば跡形もなく撤去された。資金は企業の協賛や助成に頼らず、制作過程のドローイングやコラージュを売って自前でまかなった。2009年にジャンヌ=クロードが亡くなったあとも、クリストは構想を練り続け、2020年5月31日、ニューヨークの自宅で息を引き取った。パリの凱旋門を布で包む計画は、翌年、遺志を継いだスタッフの手で実現している。

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