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アントニ・ガウディ

アントニ・ガウディ

Antoni Gaudí
1 作品

カタルーニャの小さな町レウスで、銅細工職人の息子として生まれた。幼い頃から関節炎を患い、思うように歩けなかった少年は、馬に乗って外を眺める代わりに、じっと草木や岩肌の形を見つめて育ったという。この観察の癖が、後年の建築の骨格そのものになる。バルセロナ建築学校を出た後も目立った優等生ではなく、卒業証書を渡した校長は「天才かペテン師か、どちらかに渡した」とぼやいたと伝えられている。

転機は実業家エウゼビ・グエイとの出会いだった。理解ある富豪の後ろ盾を得たガウディは、グエイ邸、グエイ公園、そして未完のまま今も工事が続く《サグラダ・ファミリア》へと、次第に自分だけの造形言語を育てていく。直線を避け、放物線とカテナリー曲線を多用する構造は、逆さに吊るした紐の模型で重力そのものに設計させるという逆転の発想から生まれた。中世ゴシックの尖塔を、鉄骨に頼らず石の力学だけで超えようとした執念がそこにある。

《カサ・バトリョ》の骨のようにうねる外壁、《カサ・ミラ》の波打つ石灰岩のファサード、そして色ガラスと陶片を砕いて貼り込んだトレンカディス装飾――これらは同時代のアール・ヌーヴォーと呼応しつつも、地中海の光と自然の造形観察から独自に導かれたものだった。信仰も深く、晩年は装飾を削ぎ落として教会建築そのものに没頭し、最後はサグラダ・ファミリアの工房に寝泊まりしながら図面を引き続けた。

1926年、路面電車に轢かれて重傷を負ったとき、身なりの粗末さから浮浪者と誤認され、手当てが遅れて命を落とした。バルセロナ中の建築家や市民が悼んだその死から一世紀近く経ってなお、彼が遺した未完の聖堂は今も空へ伸び続けている。

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