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歌川貞虎近江八景之内 石山乃秋ノ月
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歌川貞虎の《近江八景之内 石山乃秋ノ月》で母が丸めているのは、月に供える月見団子である。琵琶湖南部の名所を選んだ近江八景の一つ、石山寺の秋の月を、子を背負う母の月見の支度に重ねている。
石山寺には、紫式部が八月十五夜の名月の晩に「源氏物語」の着想を得たという伝承がある。月見団子を供えるのは、陰暦8月の十五夜と9月の十三夜だった。江戸後期の風俗を記した「守貞漫稿」によると、十五夜には江戸で丸い団子を、京阪で里芋の形の団子を供えた。
この摺りは、メリーランド州の美術商の手を経て、1971年より後に同州の個人が購入した。1991年にウォルターズ美術館へ寄贈されている。
- Genre
- Japanese & Asian
- Work Type
- Technique
- 木版多色刷/大判
- Year Created (image)
- 1830
- Dimensions
- 37.2 × 25 cm
Artist profile

歌川貞虎
歌川貞虎(うたがわさだとら)は、文化14年(1817年)の団扇絵に「歌川貞虎左筆」と署名した。初代歌川国貞(三代目歌川豊国)に学んだ江戸後期の浮世絵師で、孝行話や名所の景色を、遊女や母子の日常に重ねる絵を描いた。 この署名を記録したのは、井上和雄編の「浮世絵師伝」である。「左筆」は左手で文字を書くことを指し、貞虎は左利きだったとみる見方がある。
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