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桜図
Public domain
長
長谷川久蔵

桜図

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《桜図》は、長谷川等伯の長男・久蔵の代表作とされる。八重桜の花びらはすべて正面を向き、一枚ずつ盛り上がって、干菓子の落雁のように見える。貝殻の粉でできた白い絵の具を厚く盛って下地をつくり、その上に花びらを描いたためだ。美術史家の山下裕二は、現地で絵を斜めから見ることを勧めている。

豊臣秀吉は、幼くして亡くなった長子・鶴松を弔うために祥雲寺を建てた。この絵はその部屋を飾った絵の一部で、等伯が一門を率いて描いた。山下は、父の《楓図》が「暴力的なまでに豪壮な巨木」として描かれるのに対し、この絵には「やまと絵」の抒情があり、しなやかでたおやかな画面だと見る。その画風から、筆者は久蔵と推測されている。山下によれば、桜だけを主題に据えた作品は、桃山時代にほかに例がない。

秀吉の死後、徳川家康は祥雲寺を智積院に与え、絵も智積院のものになった。度重なる災禍をくぐって残り、昭和27年(1952年)に国宝に指定された。いまは境内の宝物館で常時公開されている。

Work Type
Painting
Technique
紙本金地著色・壁貼付(5面のうち4面。寸法は各面)
Year Created
1592
Dimensions
172.5 × 139.5 cm

Artist profile

長
長谷川久蔵

八重桜の花びらが一枚ずつ盛り上がり、干菓子のように見える。京都・智積院の国宝《桜図》を描いたと推定されるのは、桃山時代の画家長谷川等伯の長男、長谷川久蔵である。一門の希望を託されながら、26歳で世を去った。 永禄11年(1568年)、能登国七尾に生まれた。幼いころ父とともに京都に上り、絵の手ほどきを受けた。兄弟のなかで最も才能に恵まれていたとされる。

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