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長谷川等伯Atago Gongen
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鎧を着て馬に乗るこの神は、京都の愛宕山にまつられた、火事を防ぐ神の愛宕権現である。《愛宕権現図》は、長谷川等伯がまだ「信春」と名のっていた若いころの仏画だ。
愛宕権現は、仏が人々を救うために日本の神の姿で現れたものとされ、そのもとの姿は勝軍地蔵である。勝軍地蔵は、祈れば戦いに勝つといわれる地蔵で、鎧と兜をつけ、軍馬にまたがる姿で表される。愛宕山の勝軍地蔵は、戦の守護神として武将たちにあつく信仰された。
いつ描いたかには、二つの見方がある。能登の寺に伝わる仏画との共通点が多く、当時の七尾にも愛宕神社があったことから、能登にいた26歳ごろの作とする説がある。一方、背後の炎の描き方は20歳代後半の作より進んでおり、手は33歳で描いた仏画に近い。こうした点から、所蔵する石川県七尾美術館は、京都に移ったと考えられる30歳代前半から中ごろの作とみている。
- Work Type
- Painting
- Technique
- 絹本著色・掛幅
- Dimensions
- 81.3 × 36.3 cm
Artist profile

長谷川等伯
長谷川等伯は、墨だけで描いた国宝《松林図屏風》と、金地に四季の樹木と草花を描いた智積院の障壁画で知られる。能登で仏画を描く「信春」として出発し、狩野派に並ぶ長谷川派を築いた桃山時代の画家である。 天文8年(1539年)、能登の七尾に生まれた。実父は七尾城主畠山家の家臣で、幼いころに染物業を営む長谷川宗清の養子となった。
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