
CC0
月岡耕漁Aya no Tsuzumi, from the series "Pictures of No Performances (Nogaku Zue)"
0
月岡耕漁の《能楽図絵 綾鼓》に描かれた鼓は、綾を張った、打っても鳴らない鼓である。能「綾鼓」では、女御に恋をした庭掃きの老人が、これを鳴らせば思いをかなえると言われる。鼓は鳴らず、老人は池に身を投げる。後半では怨霊となって女御の前に現れ、今度は女御に、鳴らない鼓を打てと迫る。
余白の配役には、庭掃老人が「前シテ」、その幽霊が「後シテ」と記され、場所は筑前とある。鼓に向かう黒髪の人物は、後シテの怨霊と読める。
刊記によれば、この摺りは明治33年(1900年)3月10日印刷、15日発行で、印刷兼発行者は大黒屋の松木平吉。能楽図絵は明治30〜35年(1897〜1902年)に刊行された連作で、耕漁はのちに精美書院の能画大鑑でも同じ曲を描いた。
Artist profile

月岡耕漁
月岡耕漁(1869〜1927)は、日本で初めて能の舞台を専門に描いた画家とされる。義父は浮世絵師の月岡芳年で、大黒屋(松木平吉)から出した能の木版画の連作が代表作となった。 東京・日本橋の旅籠屋に生まれ、本名は羽生弁之助。12歳から、横浜で輸出品を扱う伯父のもとで陶器の絵付けを学んだ。母の泰は明治17年(1884年)に芳年と結婚した。
View full profile







