期間限定 手数料割引中 出品者3% 購入者1%
富本憲吉

富本憲吉

とみもとけんきちTomimoto Kenkichi
0 Artworks

奈良・安堵村の地主の家に生まれ、東京美術学校では図案科ではなく建築科を選んだ。在学中にロンドンへ渡り、そこで出会ったウィリアム・モリスの仕事にすっかり心を奪われる。工芸は暮らしの中でこそ意味を持つという考え方は、帰国後の富本の仕事の芯になった。

大正初め、たまたま隣人だったバーナード・リーチに誘われ、二人で楽焼の窯を築いたのが陶芸の入り口だった。独学で釉薬や焼成を研究し、故郷の田園に窯を構えて色絵磁器の道を切り拓いていく。葡萄、竹、羊歯、四弁花——身のまわりの植物をそのまま図案化した文様は、写実でも抽象でもない独特の距離感を持ち、余白の使い方ひとつにも建築科仕込みの構成感覚がにじんだ。

柳宗悦らの民藝運動には当初共鳴しながらも、やがて袂を分かつ。無名の職人による用の美を尊ぶ民藝の理念に対し、富本は「模様から模様を作らず」を信条に、あくまで自分の眼で自然を見つめ、自分の手で文様を生み出すことにこだわった。作家の個性を消すことを良しとしないその姿勢は、当時としては異色だったが、後の陶芸家たちに作家性という新しい価値を示すことになる。

晩年は京都に移り、京都市立美術大学で後進を指導しながら、金銀彩の色絵磁器で独自の華やぎを深めていった。1955年、色絵磁器の分野で最初の人間国宝に認定される。飾らない言葉で語られた「模様」への探求は、日本の近代陶芸を職人の仕事から作家の表現へと押し上げた、静かだが決定的な転換点だった。

Own a work by Tomimoto Kenkichi?

List it for sale on Cugira.

List a work

No artworks found