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ロ

ロバート・マザウェル

Robert Motherwell
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白い画面に黒い楕円が並び、あいだを太い柱がつなぐ。闘牛の去勢された牛の睾丸とも、絞首台とも読める形が、何十枚も繰り返し立ち上がる——ロバート・マザウェルが生涯をかけて描き継いだ《スペイン共和国への挽歌》の光景である。1948年ごろに始まったこの連作は最終的に100点を超え、スペイン内戦で共和国が敗れた記憶を、具体的な事件のかわりに単純な黒い塊の反復だけで運び続けた。

マザウェルは1915年、アバディーン生まれ。スタンフォードで哲学を学び、コロンビア大学では美術史家マイヤー・シャピロのもとで学んだという、絵筆より先に理屈を仕込まれた画家だった。ニューヨーク・スクールの中では一回り若い世代にあたり、亡命してきたシュルレアリスムの画家マッタから自動記述——手を意識の統御から外して走らせる描き方——を教わったことが、彼の絵の出発点になっている。ポロックやデ・クーニングが荒々しい筆致で突き進んだのに対し、マザウェルは自動記述をいったん頭で咀嚼してから画面に置くようなところがあり、抽象表現主義の中でもっとも言葉を持つ画家、批評や編集の仕事も厭わない画家として知られていった。

《挽歌》とは対照的に、《オープン》の連作では大きな色面の上に窓枠のような矩形の線を一本二本引くだけの絵に転じる。重たい黒の塊から、余白と一本の線だけが呼吸する画面へ——同じ手が両極を往復しながら、戦後アメリカ絵画の中に居場所を刻んだ画家である。1991年、プロヴィンスタウンで没した。

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