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北大路魯山人

北大路魯山人

きたおおじろさんじんKitaoji Rosanjin
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京都・上賀茂の社家に生まれ、生後まもなく養子に出され、貧しい養家を転々として育った。学校もろくに通えぬまま身につけたのが書と篆刻で、これが後の全てを支える技になる。上京してからは福田大観の名で書や篆刻を売り、看板書きや篆刻の腕一本で食いつないだ時期もある。転機は「美食倶楽部」の開店だった。会員制の食事処として始めたこの店が評判を呼び、大正十四年には東京・永田町の星岡茶寮を任されて総合芸術としての料理と器の世界に踏み出す。そこで痛感したのが、料理を盛る器の貧しさである。既製の食器では自分の求める味の景色が作れないと、鎌倉に窯を築いて自ら焼き始めた。これが陶芸家・魯山人の出発点になる。師と呼べる存在は正式にはいないが、書は岡本可亭に学び、陶芸では荒川豊蔵との親交を通じて志野・織部の研究を深め、仁清写しや乾山写し、備前、九谷、信楽と、あらゆる古陶の技法を貪欲に取り込んでいった。器は料理の着物であるという信念のもと、《雲錦鉢》をはじめとする作品群は、絵付けから成形までを一貫して自らの手と眼で仕上げている。気位が高く狷介な性格で、星岡茶寮も除名という形で追われ、晩年は北鎌倉の自宅兼工房「春風萬里荘」にこもって制作に没頭した。書、篆刻、陶芸、絵画、そして料理と、どの分野でも一流を究めながら本業を持たなかった稀有な存在で、その徹底した美意識と偏屈な人物像は後年ドラマや漫画のモデルにもなった。没後、海外でも「日本の美食と陶芸の巨人」として再評価が進んでいる。

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