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カ

カール・アンドレ

Carl Andre
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床に煉瓦を並べただけの作品の前で、人は立ち止まり、それから戸惑う。台座もない、額縁もない、ただの建材が幾何学的な配列で広がっているだけだ。だがその低さ、その水平さこそが、カール・アンドレという彫刻家の核心だった。

1935年、米国マサチューセッツ州クインシーに生まれる。1957年にニューヨークへ移り、しばらくは彫刻より詩を書いていた時期もあったという。1960年から64年まではペンシルベニア鉄道で制動手・車掌として働き、貨物の積み方や線路の敷き方から素材の並べ方を学んだと語っている。1965年、ティボール・ド・ナジ・ギャラリーで初個展。

アンドレの手法は一貫していた。煉瓦、金属板、木材、干し草の梱包材——手を加えない工業素材を、足し算や掛け算のような単純な算術の配列のまま床に置く。彫刻を仰ぎ見るものから、歩いて渡るものへと変えた。120個の耐火煉瓦を2段に並べた《Equivalent VIII》(1966)は、1972年にテート・ギャラリーが購入し、1976年の英国で「これのどこが彫刻なのか」という激しい論争を呼んだ。1970年にはグッゲンハイム美術館で最初の大規模な回顧展が開かれている。約60年の制作活動で2000点を超える彫刻とほぼ同数の詩を残し、テート、グッゲンハイム、アムステルダム市立美術館、カナダ国立美術館などが作品を収蔵する。

1985年9月、妻で美術家のアナ・メンディエタが自宅アパートの窓から転落死した。アンドレは第二級殺人罪で起訴され、1988年に陪審裁判で無罪となったが、この一件は以後も彼の名前に影のように付きまとい続けた。2024年1月24日、ニューヨークで没した。88歳だった。

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