
アルブレヒト・デューラー
Albrecht Dürer
16 Artworks
ニュルンベルクの金細工師の息子として生まれ、絵筆より先に彫金の道具を握った手が、のちに版画史そのものを塗り替えることになる。徒弟時代に木版画工房を営む画家ミヒャエル・ヴォルゲムートのもとで修業し、若くしてすでに線を刻む仕事の厳密さを身につけていた。二度にわたるイタリア行きが転機になる。ヴェネツィアでジョヴァンニ・ベリーニの穏やかな色彩と出会い、遠近法や人体比例をめぐる理論に触れたことで、北方の緻密な描写に南方の理知が重なった。故郷に戻ってからの仕事量は驚異的で、《黙示録》の木版画連作は聖書の幻視を息をのむ迫力で紙の上に叩きつけ、彼の名を一躍ヨーロッパ中に知らしめた。1513年から14年にかけて手がけた三点の傑作銅版画——騎士、死、悪魔書斎の聖ヒエロニムスメレンコリアI——は、信仰と学問と憂鬱という人間の内面を、細い線の集積だけでこれ以上ないほど雄弁に語らせている。水彩の野兎に見せる一本一本の毛への執着、あるいは祈る手だけを描いた習作の静けさは、下絵にすぎないはずの紙をそのまま独立した芸術に押し上げた。1500年の自画像では自らをキリストのごとき正面像で描き、画家という職業の地位そのものを塗り替えようとした野心も隠さない。皇帝マクシミリアン1世の宮廷画家となり、晩年は人体比例と幾何学の理論書執筆にも情熱を注いだ。ネーデルラント旅行の道中で得た病がもとで没したとされ、その死は北方ルネサンスの一つの区切りとなった。
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