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三十六歌仙 紀友則
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鈴木春信鈴木春信

三十六歌仙 紀友則

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歌をもとに描かれたのに、この摺りには歌がない。鈴木春信の《三十六歌仙 紀友則》は、昔の名歌を絵の上に摺り、その心を江戸の暮らしに重ねる、春信が得意とした「見立絵」の一つである。すぐれた歌人36人を取り上げたシリーズに属する。

それでも紀友則の絵と分かるのは、大英博物館にある同じ図の摺りに、友則の名と歌が摺られているからである。友則は平安時代の歌人で、百人一首の「ひさかたの光のどけき春の日に静心なく花の散るらむ」で知られる。

この絵に重ねた歌は、『拾遺集』の「夕されば佐保の川原の川ぎりに友まどはせる千鳥鳴くなり」である。夕方になると、奈良の佐保川の川原で、川霧に紛れて仲間を見失った千鳥が鳴いている、と詠む。大英博物館の摺りでは川の上を三羽の鳥が飛ぶが、この摺りには鳥もいない。雪の川辺を行く二人に、歌の心細さを重ねた絵と読める。

Work Type
Print
Technique
木版多色刷
Year Created (image)
1767
Dimensions
25.4 × 19.4 cm

Artist profile

鈴木春信
鈴木春信

錦絵の創始者として知られる鈴木春信の《夕立の若い女》には、画工の春信、彫工の遠藤五緑、摺工の湯本幸枝の名が並ぶ。明和2年(1765年)のこの絵暦に、錦絵を生んだ共同作業の跡が残っている。 絵暦は、陰暦の大の月と小の月を絵に織り込んだ暦である。大の月は30日、小の月は29日で、並びは年ごとに変わった。

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