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鈴木春信鈴木春信

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この一図に題は摺られていない。「坐鋪八景」の一枚で、中国の瀟湘八景の「遠浦帰帆」を、座敷の手拭掛に見立てたものである。明和3年(1766年)の摺りは「座」ではなく「坐」の字を使う。

もとは大久保巨川という千六百石の旗本が趣向を立て、自費で摺らせた。最初の上等な摺りには絵師ではなく巨川の印が入り、桐の箱に収めて配られている。そののち版元の松鶴堂が「東錦絵」と刷り込んだ包みを付けて売り出し、三度目の摺りからは一枚ずつ、春信の印を入れて売られた。

画中に狂歌はない。のちに同じ趣向を艶本仕立てにした『風流座敷八景』では、この図に狂歌が添えられる。同じ図の摺りはシカゴ美術館にあり、館は制作を1766年頃とする。

Work Type
Print
Technique
木版多色刷/中判
Year Created (image)
1766
Dimensions
28.7 × 21.4 cm

Artist profile

鈴木春信
鈴木春信

錦絵の創始者として知られる鈴木春信の《夕立の若い女》には、画工の春信、彫工の遠藤五緑、摺工の湯本幸枝の名が並ぶ。明和2年(1765年)のこの絵暦に、錦絵を生んだ共同作業の跡が残っている。 絵暦は、陰暦の大の月と小の月を絵に織り込んだ暦である。大の月は30日、小の月は29日で、並びは年ごとに変わった。

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