
Public domain
ウィリアム・ブグローヴィーナスの誕生
0
ウィリアム・ブグローが1879年のサロンに出した《ヴィーナスの誕生》は、高さ3メートルの縦長の油彩画だ。同じ題で有名なボッティチェリの横長のテンペラ画とは違い、女神は体を隠さず、髪に両手を添えている。
題材と構図は、ボッティチェリの絵とラファエロの《ガラテイアの勝利》を踏まえているとされる。ブグローはローマ留学中に《ガラテイアの勝利》を模写していた。巻貝を吹く男たちは女神の到着を告げ、幼児の弓矢は愛の神クピドの持ち物である。
作家ユイスマンスはサロン評で、女神を膨らませそこねたゴム風船になぞらえ、筋肉も神経も血もないと酷評した。一方、国は同じ年にこの絵を買い上げ、存命作家の作品を収めるリュクサンブール美術館に入れた。1881年にはカバネルの同名作も加わった。日本の展覧会に「オルセーのヴィーナスの誕生」として来たのはカバネルの方だ。館の記録では、ブグローの絵が日本で展示されたことはない。
- Work Type
- Painting
- Technique
- 油彩・カンヴァス
- Year Created
- 1879
- Dimensions
- 300 × 215 cm
Artist profile

ウィリアム・ブグロー
肌の質感だけで一枚の絵が成立してしまう画家がいる。ブグローの裸婦や農村の子どもたちを見るとき、人はまず絵具の存在を忘れる。それほどまでに滑らかで、まるで石膏より緻密な肌理が画面を覆っている。ラ・ロシェルの商家に生まれ、パリのエコール・デ・ボザールで学び、1850年にはローマ賞を獲得してイタリアへ留学した。
View full profile







